海底見学への素敵な招待状である村上守治の作品は、伊藤若冲が描いた生き物の世界を彷彿とさせる
染色と言う芸術は、いくつかの工程を必要とする。糊で縁取りした内側に色を施し、布を乾燥させ、糊を洗い流し・・・こうした過程を経て、染色家は絵画に近い視覚的効果を生み出していくのだ。
回遊・2で村上はエキゾチックな魚たちを表現した。密集した構図は青と緑の調和に奥行きを与え、絡み合った海藻が海流を感じさせる。光り輝く色彩で登場するのは、多種多様な魚。
さらに画面上部に見える水面の光のゆらぎが、注目に値する。
一方「戯れ」で彼は、より深い海中を背景に明暗法を用いた魚群をドラマテイックに出現させた。
これらの作品は代々受け継がれてきた技術と技術の賜物である。
村上作品にはリラックス効果があり、観るだけで幸福感が増すだろう

解説:アラン・バザール


村上守治は、純粋な芸術特有の圧倒的構成で我々の視線を揺さぶる。掲出作「ファンタジー」と「pupett]に見られるように、彼は絹に染料、墨、銀泥をもちいて、湯tかなフォルムや様々な対象物を証言している。
村上は、遠近法や背景をなくすことで前例のないものに生命を吹き込み、些細な事や細かなものを強調する。絹を使う点にも注目したい。それが、ごく細かな要素に美のアンサンブルを形成させるからだ。
影絵の人形を表現した「PUPETT」も生物画のような「ファアンタジー」も、円や楕円、直線、曲線、様々な点などの抽象的な形の集合体が程よく散り嵌められているこうした複雑な要素が視覚を混乱させ、我々は現実との接点を探そうとするだろ、村上は鋭い想像力を持ち、現実を純粋な芸術表現へと変えることが出来る独創的な芸術家である。

解説・マリア・ドローレス・アアロージョ